
3世帯に1世帯が貯金ゼロ―――
皆さまはどう思われますか?このご時世で貯金がないなんて?!と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
にわかに信じがたい話ですが、これは日銀の金融広報中央委員会が調べた「家計の金融行動に関する世論調査」で報告されている調査結果だそうです。
調査結果を分析してみましょう。基本的に貯蓄額は年齢が上がるにつれて増えていますが、注目すべきは貯金ゼロ世帯の割合です。30代、40代ともに「33.7%」が貯蓄なしで、その他もどの世代においてもだいたい3割が貯蓄のない世帯という結果が出ています。
実はそれだけ貯蓄も難しい時代となってしまったのです。
また、調査結果を年齢別にみるとまた違った視点も見えてきます。
実は貯金ゼロは低収入世帯に限った話ではなく、高収入世帯にも一定数いるのです。年収1200万円以上でも8世帯中1世帯の割合で貯蓄がありません。1000万~1200万円世帯の「10.3%」が貯金ゼロに対し、1200万円以上では「12.5%」が貯蓄ゼロです。年収が高い1200万円以上の世帯がそれ以下の年収の世帯よりも、貯蓄ゼロの割合がわずかながら多いのです。また、1000万~1200万円世帯の貯蓄額の中央値は1100万円に対して、それよりも年収の低い750万~1000万円世帯の貯蓄額中央値は1015万円だそうです。そこまで大きく変わっていないことが伺えますね。
高収入世帯において、年収が高いからといって貯蓄が多いとは限らず、年収の差が貯蓄額と完全に比例しているわけでもないようです。つまり年収を増やせば貯蓄が増えるわけでもないということです!
それはなぜだと思いますか。また、どうすれば貯蓄を増やせると思いますか。
‘’貯蓄ゼロ’’を待ち受ける地獄とは?
貯蓄ができない家庭にはどんな未来が待っているのでしょうか?多くの家計を見てきたマネーコンサルタントの方は、次のように危険性を指摘します。
「働くことができているうちは自転車操業状態でもギリギリやり繰りできるかもしれません。しかし、将来も働くことができるとは限らないし、その収入が約束される保証はどこにもありません。貯金がないと、子供が大学に進学するときの学費が用意できず奨学金を借りることになったり、そもそも進学を諦める必要がでてきたりするかもしれません。また、老後までに必要な資金を貯められないと、“老後破産”してしまう危険性があります」
…なんだか常にお金に追われているような状態ですね。お金があれば諦めずに済むこと、 我慢しなくてもよい事が多くありそうです。
では“貯まらない家庭”にはどんな傾向があるのでしょうか。「収入の多寡に関わらず、支出への意識が低い」と指摘しています。支出への意識、皆さんはされていますか?
例えばケータイ代は、大手キャリアのスマホから格安スマホに切り替えるだけで大幅に安くなります。それをわかっていても「面倒だから」「時間がないから」「よく分からないから」と言い訳して切り替えないのが“貯まらない人”の特徴だそうです。また、電子マネーで“ちょくちょく買い”する場合に、オートチャージにしていたら支出を把握しづらいですよね。こうした支出に対してズボラな方も同様だそうです。
また、収入が高い人に多いのが「気が大きくなってしまうこと」との指摘もあります。高収入だから『ちょっとくらい大丈夫』『今月は使いすぎても来月カバーできる』と思い、小さな支出を気にしなくなってしまいがちとのこと。高級スーパーで買い物をするのはまさにその典型。小さな贅沢が積もり積もって『贅沢してないはずなのになぜかお金が貯まらない』という事態に陥ってしまうようです。
さらに、高収入の人ほど貯金が貯まらない理由がもう一つ。収入が高くなるにつれ、ブランド志向になりがちだそうです。それは食事や時計、バッグなどの服飾品に限らず、住むエリア、子供の学校、習い事にも及びます。教育熱心なエリアに住み、いい学校に行かせると意図しない出費も増えます。妻はママ友とのランチ代に一回3000円かけることが増え、衣食住全体のコストが底上げされてしまう。教育費も『ウチは収入が多いから大丈夫』とタカをくくり、習い事や私立受験でどんどん膨れ上がってしまう、とのこと。
古くから「教育費は聖域」などという言葉もありますが、いつのまにかとんでもない額の“家計のブラックホール”とならぬよう、注意したいですね。
これはあくまで一例にすぎませんが、高収入であればそれだけグレードの高いものを選ぶようになるということですね。あくまで個人的な思いですが、グレードの高いもの、とりわけ長年愛されるブランドものなどは単なるネームバリューだけではなく、やはり手にしてみてその良さがわかるように思います。
さて、「貯蓄がゼロ」というお話でしたが、改めて、みなさんは貯蓄ができる体制ですか?
知らず知らずのうちにお金から逃げられていませんか?もしこの問いに自信もって答えられなければ、もしかするとまだお金と付き合っていく方法を身につける余地があるかもしれません。
知らないというだけで大損していることがたくさんある。そう私たちは考えます。
そういった「情報を知らないことで弱者となっている」立場から、マネーリテラシーを身につけることで一歩前へ進み、金銭、精神、時間的な余裕が持てること―――
それが社会人サークル「THE GATE」の目指す姿です。